歯科医療におけるアブセンティズムとプレゼンティズム

私のチームが行うインプラント植立でアブセンティズムとプレゼンティズムを考えてみました。

私と第一助手、第二助手、アシスタントの4名でチームを組みオペした場合、インプラント植立は1本8分程度で終わります。 ところが何らかの事情で私と第一助手のみでオペを行うと15分程度かかり、患者さんにより負担をお掛けすることになります。この何らかの理由で最も多いのが健康上の理由による欠勤ですが、このような労働損失は、ある程度予防、予測、対応を図ることができます。

ところで、オペ前に十分なイメージを重ねたインプラント植立でも、数秒から数十秒の時間の誤差を生むときがあります。患者さんの状態によるところ以外に、私を含めたスタッフのコンディションに左右されるものです。前途のような労働損失とは違い、一見目立ちにくいものですが、医療従事者としては見逃せない問題です。また、センシティブな問題を含んでいることが多く、更には”自身”が気づけていない場合もありますので、少し悩ましい問題でもあります。 

いずれの課題も患者さんの負担に大きく関係するものですから、医療従事者の健康管理、労務管理は、コンプライアンス遵守さえすれば良い、という短絡的な取組みではなく、医療品質の確保という視野を持って取り組む必要があります。

協議会では、歯科医療関係者向けの勉強会を開催いただけるとのことでしたので、このような機会に私のチームが行っているチーム医療と健康管理も少しご紹介出来たらと考えています。

三井記念病院 歯科・歯科口腔外科部長、佐賀県出身)

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